カナヘビを飼育するのに必要なものとお金について
カナヘビは環境さえ整っていれば、比較的飼いやすい生き物だと思います。
そのカナヘビを飼うための『環境』を整えるためには、いったい何が必要で、どれくらいのお金がかかるのでしょうか?
今回は、実際に私がカナヘビを飼うために揃えた必要なもの、そしてかかったお金、そしてこれからかかるであろうお金についてご紹介しようと思います。
カナヘビを飼うための準備
私の場合、カナヘビ飼育において一番お金がかかったのは最初の環境を作る段階でした。
逆に言えば、環境さえ整ってしまえばほとんどランニングコストはかかっていないとも言えます。
カナヘビを長期で飼う、もしくは不要なものを買い漁らずに効率的に環境を整えたい、と考えるなら最初が肝心だと思います。
まずは最低限必要となるものからご紹介していきたいと思います。
つまり必ず必要なものとなりますので、省略したり代用したりするのはお勧めできません。
・水槽(ケージ) 2000円~
カナヘビは立体的な動きをする生きもの。
観賞するにもお世話をするにも最低でも30cm以上の水槽、お金に余裕があれば「爬虫類専用ケージ」があった方が良いです。
虫かごでは下記に紹介するライト類の設置ができないため、飼育ができません。
・紫外線ライト(UVBライト) 1500円~
カナヘビは生きるために紫外線が必要な生きものです。
紫外線を受けてカルシウムの吸収を促すビタミンD3を生成したり、新陳代謝を活性化させて脱皮をします。
ですから、室内飼育をする場合は人工的に紫外線を照射する必要があるため、このバスキングライト(UVBライト)が必要となります。
ちなみに『ガラス越しの日の当たる室内』では紫外線(UVB)は足りません。(このことは次のページで詳しくご紹介したいと思います。)
・クリップライトまたはスタンドライト 1000円~
上記で紹介したUVBライトやバスキングライトを、ケージに固定するためのクリップです。
水槽なら上記写真のようにフチに留めれば使用できます。
首がクネクネと曲がるものを選ぶと照射距離を調整することも可能になりますね。
・温湿度計 100円~
カナヘビは暑さに弱く、夏場は熱射病で死んでしまうことも珍しくありません。
そのため、必ず温度計をケージに入れるようにしてください。
なるべく揃えておきたいもの
ここからは、カナヘビ飼育において用意することを推奨するものをご紹介します。
すべて揃えるのが理想だと思いますが、中にはどちらか1つあれば良いというものもありますので、飼育環境に合ったものを揃えていきましょう。
・バスキングライト 1000円~
紫外線ライトと併用して使用するバスキングスポットを作るライト。
バスキングとは日光浴と言う意味で、バスキングライトを使用することで暖かくなる場所を作り出すことができます。
カナヘビは変温動物ですので、寒すぎると代謝が悪くなって死んでしまったり、意図しない冬眠をしてしまう可能性があります。
ケージの中で暖かい場所と涼しい場所を作り、自分で体温調節できるような環境作りに必要なライトとなります。
・パネルヒーター 3000円~
冬の間に使用する薄いパネル型のヒーターとなります。
設置場所した場所だけをケージの底からじんわりと温めてくれるので、ホットスポット・クールスポットと切り分けることができます。
飼育場所において24時間エアコンを稼働させている場合は必要ありません。
・暖突 4500円~
こちらも上記同様パネルヒーターですが、ケージの天井に付けて使用しケージ全体を温めるタイプです。
主に寒冷地などで飼育している際に必要となります。
・新しい土 500円~
カナヘビは土に潜ったり土を掘ったりします。
寒いときにも潜ったりしますので、ケージの中に土の環境を作ることは大切です。
しかし、屋外の土を入れてしまうとダニや細菌などが問題になりますので、新品の腐葉土を使用するようにしてください。
・床土 1000円~
床土には爬虫類専用のものを用意するか、私のケージのように芝生の土を利用する方法もあります。
芝生の土は水分を吸収するので、フンなどの処理が簡単になり、ケージ内を清潔に保つことができます。
その他あると良いもの
・シェルター 500円~
身を隠したり眠るときに入る隠れ家となります。
カナヘビの場合はSSサイズで充分です。
・水置き 500円~
水入れはペットボトルのキャップなどでも代用可能ですが、用意できるなら用意しても良いと思います。
・水苔 400円~
ケージ内の湿度を上げるためにあると良いです。
特に脱皮の時などは用意すべきだと思います。
・観葉植物 300円~
カナヘビは立体的な動きをするので、葉に登ったり飛び降りたり、また夏場などは葉の上で寝たりします。
そういった意味で、ケージ内に植物を配置するのはオススメです。
カナヘビ飼育にかかるお金
カナヘビの飼育環境づくりは、私の経験をもとに上記でご紹介したものを全て揃えたとすると、暖突無しで1万円ほど、暖突を含めると1万5千円ほどかかることが分かりました。
小学生がお年玉を使ったとしても「飼育できる!」と簡単に言えるレベルではなく、大人の援助や協力が不可欠と言える金額かもしれません。
ただし、これらのものは1度購入すればカナヘビの一生を見送れるくらいは持つと思われるものばかりで、定期的に交換するものはありません。
日々のランニングコストと言う意味では電気代くらいしかかからないのも事実です。
各種ライトを1日8時間使ったとしてひと月500円程度、パネルヒーターは24時間つけっぱなしだとしてもひと月100円程度。
特にバスキングライトとパネルヒーターは春~秋の暖かい日であれば使用する必要はないので、ランニングコストで高額になることは無いと思います。
エサ代に関しては、こちらのカナヘビが食べる餌・食べない餌でもご紹介していますが、子供が捕まえてきたり、家の庭で調達することができれば、大きな出費にはなりません。
これらの内容をご確認いただき、高いと思われるか安いと思われるかは個人の感覚によると思いますが、1シーズンしか生きられないカブトムシやクワガタの飼育と比較すれば非常に高額ですが、3年~5年飼育できるペットと比較すれば非常に安価とも言えます。
もし「カナヘビを飼育したいけど、様々な用品を購入するのはちょっと…」とお考えの方は、カナヘビの冬眠にチャレンジしてみるのも1つの方法かもしれません。
カナヘビを冬眠させれば、冬の間のエサ代と電気代は全て必要がなくなります。
次はカナヘビの冬眠のさせ方と冬眠準備をご紹介します。