カナヘビが食べる餌・食べない餌
しばらくカナヘビを飼ってみてわかったことがあります。
カナヘビは人工飼料を食べないことはありませんが、飼い初めにおいては、やっぱり自然界にいる虫の方が良く食べます。
ということで今回は、実際にカナヘビに与えてみて食べた餌、食べなかった餌についてご報告したいと思います。
カナヘビが食べる餌
まずカナヘビが食べる餌についてですが、昆虫類の虫は喜んで食べ、人工飼料(レオパブレンドフード)はお腹がすいているときに食べるという感じです。
私があげてみて1番良く食べたのは『青虫や芋虫』となります。
これは1番食いつきが良く、自分の体ほどある青虫でも一瞬で食らいつき飲み込んでしまいます。
ケージの外(ガラス越し)に見えただけでも勢いよく近寄ってくるほどでした。
自分の体と同じくらいの大きさの青虫でも食らいつくチビ。
時間をかけて飲み込んでいました。
そして満足げなチビ。
青虫や芋虫は、蛹になるほど大きい個体でなければ、体も柔らかく顎もそれほど強くないはずなので、安心して与えられる生き餌です。
ブロッコリーやキャベツなどを食べているのでビタミン類も豊富。
ただ『手に入りにくい』とお考えではないでしょうか?
季節にもよりますが、青虫は意外と簡単な方法で手に入るんです。
ホームセンターなどで売られている野菜の苗。
ブロッコリーや人参の苗(春ならキャベツなどの苗)を買ってきて、蝶や蛾が飛びそうな場所にプランターに植えて置いといてみてください。
すると勝手に産卵し、いつの間にか虫食いだらけの葉に仕上がります。
青虫や芋虫は逃げたりしないので、水をあげているだけで育ちますし、なんと餌切れしやすい12月ぐらいまで捕獲が可能です。
生まれたばかりの青虫を捕獲すればSSサイズ、放っておけばビックサイズと調整まで可能な餌となるので超オススメです。
注意点としては、青虫や芋虫の中には身を守るために『酸』のような体液を出すものもいます(大型になるほど顕著)。
青虫たちも食べられないように身を守っているわけですね。
酸を放出したままだとカナヘビは食べることができないので、事前にピンセットなどで刺激して酸を放出させ、水で洗い流しておくと安心です。
次によく食べたのはイエコオロギです。
黒いフタホシコオロギよりも柔らかいイエコオロギのほうがカナヘビ向きです。
チビは嬉しそうに追いかけて食べるので良いのですが、ケージに入れておくと1日で完食してしまうため、食べすぎの管理がしにくいことや費用が高額になることがネック。
(カナヘビの死因として太りすぎ、または栄養の偏りというのはは多々あるようです。)
ただ飼い初めにおいては、かなりカナヘビに適している餌と言えますので、まずはネットでイエコオロギを入手しておくと良いと思います。
コオロギをストックしている間の餌としては、農薬を使っていない自家栽培の野菜の切れ端(上記で育てた野菜の葉でもOK)でビタミンと食物繊維を、カルシウム摂取のために煮干しを細かく砕いたものなどを与えます。
このように生き餌に栄養を付けさせることを『ガットローディング』と言い、意図的に餌の栄養価を高くする方法としられています。(サプリを混ぜ込んでもOK)
コオロギが食べたものは間接的にカナヘビのお腹にも入るので、結果的にカナヘビの栄養補給となる訳で、人工飼料を食べないカナヘビには必須と言えるかと思います。
ストックしておくイエコオロギのケージには100均で買える虫かごでも良いですし、余っている蓋付きの収納ケースでも問題ありません。
写真のように紙の卵パック(なければボックスティッシュの箱)のような光を遮る隠れ家やトイレットペーパーの芯、コットンを濡らしたものをそのまま床に置いておきます。
水入れなどを使用すると溺死してしまいますので、繰り返し使えて経済的なコットンはおすすめです。
とにかく『コオロギケージにはお金を掛けないで家にあるもので済ます』というのが基本かと思います。
イエコオロギはネット通販が基本ですが、S~Lサイズのフタホシコオロギであれば町のペットショップで手に入ります。
繁殖も可能ですが、私は大きくなったコオロギが気持ち悪いのでやりませんでした。
カナヘビがフタホシコオロギを怖がる場合は、ピンセットでつまむ際に頭をつぶして瀕死状態で置いておけば、少し大きいコオロギでもかなりの確率で食べてくれます。
イエコオロギよりも固いフタホシコオロギの場合は、頭をつぶした方が安全です。
そういったことが苦手な方は、冷凍コオロギが売っていますのでこちらがオススメ。
詳しくはカナヘビは冷凍コオロギを食べる?でご紹介しています。
後は定番の蜘蛛です。
一生懸命追いかけて食べます。
ただ1匹では到底お腹が満たされず、かといって数が多く取れず効率が悪いので、庭に蜘蛛がいたら捕まえるという感じで与えていました。
また蚊も食べます。
『生きたまま』というのは難しいですが、完全に潰れていない殺したての蚊であれば、ピンセットから食べてくれます。
血を吸っている場合は…分かりませんが、やめておいた方が無難です。
あとはホームセンターなどで買える手軽なミルワーム。
小鳥用の餌として広く流通しています。
サイズ的にはある程度大きくなったカナヘビだけになりますが、コストパフォーマンスが最強です。
150匹入って200円もしません。
最初はチビも興味はもったのですが、大きさ的に食べれませんでした。
(チビが食べ始めたのは、もう少し大きくなったこの1か月後。)
食いつきはまぁまぁ良いと言った感じ。
与え方としては、カナヘビが活発に動いているとき、行動を予測して通り道にミールワームを設置し視界に入るようにします。
徐々に近づいてミールワームを見つけると、下をペロぺロ出したのち、顔を横に傾けて食らいつきます。
そのままだと脂質が多いので、ミルワームのケースに直接カルシウム+ビタミンD3のサプリメントと、
煮干しを粉砕したものを混ぜて、
ミールワーム自身に栄養を付けてもらいました。(これもガットローディング。)
最初に入っている『ふすま』(麦や米などの皮)しか食べていないミルワームをカナヘビに与えるよりよっぽど良いと思います。
さらには、農薬を使用していない白菜・ほうれん草・キャベツなどが調達できれば、煮干しと一緒に混ぜてしまうのも良いです。
これらの何度も登場する野菜類については、カナヘビが直接食べなくても便利なアイテムなので、青虫の調達やガットローディング用として育てておくと良いと思います。
ただしミールワームにもデメリットがあって、与え続けていると必ずと言って程カナヘビの便が柔らかくなります。
つまり消化しにくい(殻が固いor脂肪分が多い)ということを表しているのでしょう。
手には入りやすいので、餌が無いときにのみ使用にしたほうが良いかと思います。
これらが代表的なカナヘビが食べる餌となります。
これらの生き餌をベースに人工飼料(レオパブレンドフード)を加えれば、冬にかけても餌を切らさずに乗り越えられるかと思います。
カナヘビが食べなかった餌
次にカナヘビが食べない餌についてです。
実際に与えてみて食べなかった餌は、ダンゴムシ・アリ・硬い殻を持つ昆虫などでした。
一度コオロギに似た黒い甲虫を与え口にくわえたのですが、甲羅が固かったのか喉元まで入らず、逃がした後は一切手を付けようとしませんでした。
ダンゴムシに関しては、一度加えてみるものの、
硬いと悟った瞬間、吐き出してしまいます。
ワラジムシも同じことかと思いますが、小さい赤ちゃんのような柔らかいワラジムシであれば食べる可能性はあります。
あと意外だったのは、緑色のバッタを食べませんでした。
一度チビがくわえましたが、美味しくないのかすぐに吐き出しましたし、
こんな状態になることも(笑)。
最初に捕まえた大人カナヘビにいたっては、バッタが動いているのに最初から見向きもしませんでした。
赤ちゃんバッタしか食べないか、もしくはバッタの種類にもよるのかもしれません。
また、例外として昆虫色のカナヘビに魚用の餌などは与えないようにしましょう。
食べたとしても魚用の餌では爬虫類に必要な栄養素を補給できないと思いますし、味的に人工飼料(レオパブレンドフードなどを)を食べなくなってしまうきっかけとなりかねせん。
カナヘビの餌についてのまとめ
うちのカナヘビ調べとな、る『カナヘビの食べる餌・食べない餌』の一覧がこちらです。
餌 | 大人カナヘビ | 子供カナヘビ |
---|---|---|
青虫 | ◎ | ◎ |
蜘蛛 | ◎ | ◎ |
コオロギ | 〇 | ◎ |
冷凍コオロギ | △ | 〇 |
蛾 | ◎ | △ |
蚊 | 〇 | 〇 |
ミルワーム | 〇 | 〇 |
昆虫の幼虫 | 〇 | 〇 |
バッタ | × | △ |
ワラジムシ | × | × |
ダンゴムシ | × | × |
アリ | × | × |
レオパ ブレンド |
△ | 〇 |
レオパ ドライ |
× | × |
食いつきとしては青虫・芋虫の食いつきがダントツで大好物でした。
その後は蜘蛛やコオロギなど素早く動くもの。
本能的に追いかけるようです。
これらの虫の捕獲が難しかったり芋虫が苦手と言う方は、ネットでイエコオロギを購入して様子を見ましょう。
また鳥などの餌として販売されているミールワームを非常食にすれば、冬場でも餌に困ることは無いかと思います。
人工飼料については、慣れるまでに時間がかかりますが、時間をかけて食べさせてあげれば飛びついてくるほどになります。
ただ全てのカナヘビがこうなるとは言えず、うちの場合は子供のうちから食べさせていたので慣れてくれたのだと思います。
カナヘビが人工飼料に飛びつく様子は、Youtubeチャンネルの方で詳しくご紹介しています。
最後に、カナヘビは1日2日餌を食べなくてもまったく問題は無いようです。
餌に食いつかない時に「餌を食べてくれない」と考えるのではなく「今はいらないんだ」と諦めて、また翌日試してみるようにしてみてください。
同じ餌でも空腹になると食いつく可能性は高いです。
餌を食べないで危険となるのは、カナヘビのお腹が凹んで肋骨が見えたり、皮がたるみ始めているとき。
そんな時でも餌を受け付けなければ、自然に返すというのも1つの手段かもしれません。
次は青虫について詳しくご紹介、カナヘビは青虫を食べる?をご覧ください。