カナヘビを冬眠させる方法と冬眠の準備
今回はカナヘビの冬眠についてご紹介していきたいと思います。
カナヘビは多くの爬虫類と同じように冬眠をして冬を越しますが、飼育下では冬眠をしないで越冬することも可能です。
どちらを選ぶかは飼育者の考えや飼育環境に左右されると言えるかもしれません。
カナヘビは冬眠したほうが良い?しないほうが良い?
私がカナヘビの冬越しはどうしたらよいのかとネット(知恵袋など)で情報を集めていると、
「カナヘビを冬眠させるのは難しい!」
「最悪死んでしまうからやめておいたほうがいい!」
というコメントが溢れていて、特に『カナヘビ 冬眠』などで検索すると同じような情報がたくさん出てきました。
でも、ここで1つ疑問が。
なぜ野生のカナヘビは冬眠できて、飼育下では難しいのか?
『何が難しいのか』という説明があまりなされていない気がしました。
私の考えとしては、冬の温度環境を作ってあげれば自然と冬眠はしてくれるはずですし、冬眠をさせたほうが生物として健康に長生きできるのではと思っています。
私はネットの情報は鵜呑みにせず、なるべく自分で確認してみる性格なので、本当にカナヘビの冬眠は難しくて危険なのかどうかを確かめるため、カナヘビを飼育下で冬眠させてみることにしました。
カナヘビを冬眠させる準備
カナヘビを冬眠させるために問題となるのは、飼育下において『どのように冬眠適温に下げていくか』ということです。
自然界では徐々に気温が低下し、日照時間も短くなり、餌となる虫の活動がなくなっていくという季節の変化を感じることができます。
しかし室内における飼育下ではこのような、季節の変化を再現することができません。
そこでまずは、カナヘビと温度の関係を調べていくことにしました。
様々なサイト(おそらく内容をコピーしてるサイト)などでは『冬眠は15度を下回る必要がある』と書かれています。
確かめてみましょう。
12月初旬、ケージ内の温度が12度~15度となる場所(家の玄関近くの廊下)に、冬眠用の虫かごを設置しました。
14度を超すことは無く、夜には9度以下と一桁になることもありました。
2日程度はケージ内をうろうろしていましたが、3日目あたりから動きが鈍くなり寝ていることが多くなりました。
しかし、1週間経過してもカナヘビが動いてる形跡があり、カナヘビの移動や拍動が確認できる状態で、一時的に動かなくなっているだけで冬眠といえる状態ではありませんでした。
その後、2週間経過しても同じような繰り返しで、冬眠状態に入ることはありませんでした。
生命活動と言う意味では省エネモードに入っている感じではありますが、冬眠しているかどうかで判断すれば失敗。
この結果、本ブログ調べでは「カナヘビは15度以下になると冬眠する」という情報は嘘ということになりました。
カナヘビを冬眠させるまでの流れ
私が本格的にカナヘビの冬眠にチャレンジしたのは、最低気温が0度近く、最高気温も10度を下回るぐらいの真冬になってからでした。
まず行ったことは、冬眠させるカナヘビに1週間以上しっかりと餌を与えて少し太らせておくことです。
長い冬眠に向けて体力をつけてもらいます。
そして天気予報を確認しながら予定を立て、冬眠させる2日前に餌やりをストップ。
(多頭飼いの場合は置き餌もやめる必要があります。)
胃の中を空にしておきます。
冬眠中は消化器官の活動がほぼなくなるので、胃の中に食べ物が残っていると内臓に負担がかかる恐れがあります。
低温環境になるので内容物が腐ったりはしないと思いますが、冬眠明けなどに不調になる可能性があるので、絶食期間は設けた方が良いと思います。
絶食後1回以上フンをするのを確認し、健康状態も確認します。
・冬眠用ケージの作り方
次に冬眠用のケージを準備していきます。
用意するのはやや深めの虫かご。
私はカナヘビ飼育初期の頃に使っていたレプティキューブを使用しました。
スペースもそこそこあり深さがあります。
自然界では地中や横側から冷気が伝わることは無いと思うので、ケージの底と側面に緩衝材のプチプチを敷いて空気層を作っておきます。
ビニールクッションなどの緩衝材だと湿度でカビが生えてしまう可能性があるので、プチプチの方が良いと思います。
これで冷気は上から侵入することになります。
そこへ新しい土を深めに入れます。
庭土など硬い土を使用するとカナヘビが掘ったり潜ったりしにくいので、腐葉土のようなフカフカで水持ちの良い土がオススメです。
表面には少し高低差を付け、横に潜ることもできるようにしておきます。
これで床土は終わりです。
次に冬眠用のアイテムとして、カナヘビは自然界だと石の下などで冬眠することもあるので、石の代わりとなるような四角いタッパーを置いておきます。
タッパーの中には水入れを置いておきますが、これはもしカナヘビが動いて水がこぼれてしまっても、タッパーが水受けとなり、水が土に浸み込んで飲めなくなる心配がないようにするためです。
また水入れはタッパーの重しとしても機能します。
さらに水入れについてはいくつあっても問題ないので、私は予備にもう一つ置いておくことにしました。
カナヘビが水を飲むことはもちろんですが、空間湿度の維持にも役に立ちます。
これで冬眠用ケージの準備は完了です。
冬眠させるカナヘビを入れて、屋外で管理していきましょう。
次回は、カナヘビが冬眠する様子と冬眠中の管理をご紹介します。